映画『未来予想図〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜』


■映画『未来予想図〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜』
あ〜〜・・・・。人生ってさ〜、たかだか30ウン年しか生きてなくてもそりゃ色々あるわな。
しかも映画。映画大好きなんですよね。
でも1年に何百も見てりゃ、そりゃもう色んなのにブチ当たるってのな。そりゃそうだ。
しかしこれなぁ・・・うわ〜〜・・・・。どうしようかねぇ。
ま、とにかく「すてきだネ☆」の一言に尽きるよね。特にサブタイトルが「すてきだネ☆」。
いやはや、危険な臭いはちゃんと感じ取ってはいたんですよ予告の時点で。
「ぷぷーっ!なんで2007年にもなっていまさら未来予想図やねん!」とね。
ちゃんと分かっちゃいたんですよ。ねー。なのにねー。確かにこうなるわな。こうなって当然。
だよねー。だよねー。きっとそうだよねー。
映画を見ながらひっそり今更『DA・YO・NE』を口ずさむ女がひとり。
わかりやすく一言でまとめると、
「5分程度の歌を一生懸命2時間に引っ張ってみました!」っていう映画。
ねー。見てない皆さんもそうなること分かってたよねー。だよねー。だよねー。
なのに何で見ちゃったんだろうねー。
松下奈緒竹財輝之助のラブストーリーなんですが。いわゆる「ベタドラマ」な内容で、
上映開始10分にして、二人仲良く並んで丘で夜空に煌く星を眺めていたら
(このシチュエーション自体アレなんですけど)、
超ニセモノな流れ星が流れ「あっ!」「何?」「教えてあげない、ヒ・ミ・ツ!」
「なんだよぅケチぃ〜」という台詞のやり取りにゃ、
もしやアッシやっちゃってますぅ〜〜〜〜〜!?なんてヤな予感ムンムンゆえ顔面蒼白。
もちろんそれ以降もホンッッッとにもう「・・・ハァ〜・・・」な展開の嵐で、
1回ため息をつくごとに2キロづつ痩せていきました。
普通こういう映画に巡りあうと逆に面白くなっちゃって
途中から「次はどんな超展開が!?」とワクワクしたりするもんなんだけど、
もしくは「なんなのこれ!?バカにしてんの!?」と腹が立ったりするもんなんだけど、
この映画は違う。なんだかね、見てる最中に無性に自分自身が情けなくなってきた。
「・・・私、何してるんだろう・・・(呆然)」。
ちょっと時間があったからって、そして試写だしタダだわぁなんて欲ばったせいで、
今こんな映画を見ている自分。私ってそうだ。昔っからそう。
考え無しで動いたり調子に乗るせいで幾度も失敗をしてきた。
なのに何も反省してないじゃないか。うちの両親もさ、
わざわざワシにこんな映画を見せたくて産んで育ててくれたんじゃないと思うんだよね。
家族だけじゃなく友達もさ。そして仕事仲間もさ。
こんな自分でも皆さんの愛や情に支えられ日々生きてるわけですよ。
なのにワシは何をしとるんだと。恩を仇で返すとはこのことかと。
なんで貴重な2時間を割いてまでこんな映画を見てるんだと。
こんなことなら2時間のド短期バイトでも探して行けばよかった。
時給100円でも200円にはなったのに。何をしてるんだ本当に情けない。
もうアタシなんて宇宙の藻屑になって消えちゃえばいいのよっ!・・・と、
猛烈に情けなくなった。製作者でも出演者のせいでもない。もちろんドリカムだって悪くない。
誰のせいでもない。関わった方皆さんに同情するっきゃない。
奈緒さんは頑張ってらっしゃいましたよ。お美しかったです。
竹財くんなんて昼ドラ『砂時計』を見ていた者としては
「おっちゃるけん君が映画に!」という期待が・・・うぁぁ・・・。
物腰柔らか穏やかキャラで、
でもガウディの話になるとペラペラ語り出すという典型的なオタク好青年役でしたけど、
途中から意識が朦朧とし出して
「・・・この人誰かに似てる・・・あぁ育ちすぎた錦戸亮って感じ・・・」なんて思ったりしたけど
何もかもが面倒なぐらい、なんかもうどうでもいいわ早く2時間経たないかなぁと願うばかりの
なんともスットコ映画かつオノレの生き様を猛省に追いやるという、
実は凄まじい威力を孕んだ映画でしたのう。無理矢理伸ばしてるし。
じゃぁどこがいらなかったかなぁと考えて出した答えが「全部いらなかった」。どひゃー。
主演の二人はもちろんのこと弓削智久なんて
ドラマ『ホタルノヒカリ』@マコト以上の捨てキャラで涙が止まりませんでしたし、
関めぐみをあんなに無駄遣いする映画を初めて見たわ。
スペインでロケしてたけどもったいない、スペイン村で充分です。
主人公のカップルは散々モメた(というほどでもなくエピソードの全てが軽くてベタ)挙句、
結局モトサヤに収まりました。何の問題も解決せぬまま。
いざ彼女に会いに行こうと乗った車は当然のことながら渋滞に巻き込まれてました。はぁ〜。
そして花火大会で再会。あんなにたくさん人がいる中で
超視力を駆使し見事互いを発見した瞬間駆け寄り、
ドドーーンと大きく打ち上がる花火をバックに見つめあう二人。
そこに流れてきたのはもちろん『未来予想図Ⅱ』。・・・きたー・・・。
「♪卒業して〜から〜、もう、3度目の春〜」。真夏やないか!どこがじゃ!
おもいっきし花火打ち上がっとるやないか!(死)。
ついでにブレーキランプ5回点滅「ア・イ・シ・テ・ルのサイン」もバイクではなく車でした。
曲をモチーフにしたならせめてそこだけは遵守して欲しかったような気もせんでもないが、
もうどうでもいいです。
最後になってようやくツッコめるようにまで回復した自分を自分で褒めてあげたい。
それまではロボトミー状態で見てたし。
ツマらない映画なら寝れる。しかしこういうのは寝れない。
自分が情けないあまり両目の瞳孔開きっぱなしで見てました。
ちなみにエンドロール流れ終わった後もまだ続きがありますので途中で出ちゃダメよ。
はっ、みんな見に行ってしまえばいいさ。
これからちょっと考えようと思います。なんでも見りゃいいってもんじゃないのです。
せめてオノレを消費しないような映画を、
それなりにアタリを付けてから見ていこうと腹の底から痛感いたしました。
これドリカムの大ファンなら楽しいのかなあ。
つーか自分が好きな曲をモチーフに映画って作ってもらいたいものなのか!?
あたしゃドラマ『天体観測』の時のバンプですら、好きだからこそイライラしたけども。
「なんでこんなドラマのこんなアホなシーンでバンプのこの曲がぁ!?」なんてな。
はぁ〜。まぁ別にいいけど。映画化されたことでドリカムに小銭が入って、
それでまた新たに名曲を産み出して行くための糧になればいいよねアハハ。
最後に確認しておきたいことがある。今って2007年やんな。
なのに何故今!?なんで今になって『未来予想図』なんでしょうか。
誰がどんな思いつきで企画を出し、そして誰がどんなノリでOKを出し、
誰がどうしてどんな偉い人がGOを出したら映画化に至ったのか。
どこのどんなシガラミでどんな圧力でどんな政治力でどんな気の迷いで2007年の今になって
『未来予想図』を映画化することになったのか。
映画関係者の中でものっそ権力持ってるオヤジが日参してるクラブのネェちゃんに
「あたしぃ未来予想図が好きでぇ〜」なんてそそのかされて
「じゃぁ映画化しちゃいなYO!」とついその気になったんでしょうか。
それとももっと国家権力とか対海外情勢とか
そういうワシには手に負えん大きな力が働いているのでしょうか。
この映画が製作に至るまでの過程こそを映画化すべき。そこに一番興味あるわ。