映画『252 生存者あり』

わろたわろた!(笑)。ここまでのレベルのは久しぶりだったので大満足です、ある意味!(笑)。
今日はこれ以外に君塚良一監督作『誰も守ってくれない』を見たんですけど、そっちは後日。まずは『252』を!何をさておき『252』!
『252』を撮った水田伸生さんって『舞妓Haaaan!!!』の監督なのか、納得。や、むしろ『舞妓Haaaan!!!』より笑えたかも。
プレスシートに「日本映画史上空前のスケールで贈る、衝撃と感動のスペクタクル巨編」という、
“ザ・邦画NGワード”の羅列を見た瞬間、ある程度は予想ついたんですけど・・・しかしながら予想以上のケツサクでした。
もちろんワシも含め本編上映中は誰も声出して笑ってなかったです。でも静かに肩を震わせてた人多数。
上映終了後にサッと席を立ち会場を出てエレベーターに乗り込み、扉が閉まるや否や堪え切れず「ちょ!!!!!(笑)」みたいな。
見ず知らずの赤の他人が、たまたま同じエレベーターに乗り合わせた客に思わず話しかけちゃう勢いすらあったもん。
あっしの左隣のお姉さんなんてプゲラりすぎて途中ムセてたぐらい。ちなみに右隣のおじさんはたまに深くため息をついてました。
誤解されたくないので予め言うておく。あくまでも「何これ・・ちっ!(ムカッ)」という映画ではない。ほんま面白い。
ため息ついてたやつとか寝てたやつとかアホかと。こんなデカい釣り餌に食いつかない手はないぜと声を大にして言いたい。
ほんまに最初からクライマックスで、もちろん真のクライマックスなんて「ぎゃっはーーー!!!!!!!(爆笑)」。
エンドロールが流れる頃には微笑んでて、思い出し笑いしながらニコニコで帰途に着いた。いやマジで。ホンマわろたもん。
ムカつかない。ましてツマらないなんてありえない。よくある今日見て明日忘れる映画よりよっぽどなぁ。褒めてます。
ああ、早くこの映画について誰かと語り合いたい!よそ様の感想を読みたい!絶対に笑えるから何としても見て欲しいです!
私のこの気持ち、この映画を見たらきっと分かる。特に、スケールでかい「ネタ映画」が大好物な方にはハズせない1本かと(笑)。
内容は「巨大台風が臨海副都心に上陸、その時!?」みたいなさ、「邦画でよくぞこんなんやろうおもたなぁ」と感心する題材。
その心意気と勇気は買いたい。わしゃ何様じゃ。ちなみにこれは日テレ映画。で、大津波でお台場のフジテレビがフルボッコ壊滅状態。
フジテレビ名物の球体が海にプカ〜ンと浮いてる映像を見て思わず「日テレはこれがやりたかったのか!」と(笑)。
ちなみに汐留の日テレは一瞬も写らず。なんやったら日テレの女子アナがニュースを読んでる映像はあったので、
どうやらフジはブッ壊れたけど日テレは無事だった模様。んなアホな(笑)。ちなみに監督曰く「悪意はない」そうです・・・(笑)。
最初から飛ばしまくり。「うっそ〜ん(笑)」連発。「え、今のその映像ないわぁ(笑)」。だいぶオモロいことになってましたのう。
「CGとは分からないCGを〜」と書いてあったので「うん、おっしゃる通りCGって分からんから分かるCG使ってください」ってぐらい。
エキストラの方々の演技も「とりまパニクった感じ出したいしぃ右往左往しちゃってくださ〜い♪」なんて指示があったのか、
だいぶ右往左往してて面白さに華を添えてました。最初の10分から15分はそういう意味でのネタが満載で目が離せない。
鉄砲水に流される主人公・伊藤英明を見たら誰もが「海猿きたーーーーー!!!(笑)」。そういう意図かと思いっきり誤解。
伊藤英明が新橋地下の駅構内に閉じ込められてからはだいぶ見れる。このセットはまぁまぁの出来で逆にガッカリ(笑)。
もちろん「それにしてもあーた(笑)」なんだけど。や、今日の感想「(笑)」ばっかでウザいか。違うのよ、見たら分かるから!な!
そうこうしてると伊藤英明山田孝之に出会うと。ほんでやな。この映画の山田孝之が「イキガミもらったけど結局オレは死ななくて、
なのに妹は死んでもうたからヤケ食いしたうえにヤサぐれました」みたいな。続編かと。見てくれは、あんま『イキガミ』の時と変わらん。
でもちょっとポチャってる。あたしゃ山田の美しい横顔と見事な鼻筋が見られただけで充分なんですけど、でもこれいつ撮ったんじゃ?
いわゆる「ワイルドバージョンの山田孝之」なんですけど太ってんだかムクんでんだか知らんがとにかく丸い、そんなヤサぐれキャラ。
相変わらず「劇中で山田孝之が大切に思う人は不幸になる法則」は健在で、しかもそのせいでヤサぐれたからか思いっきりヤな野郎。
身勝手で口が悪くて性格ネジ曲がってヒン曲がってヤサぐれてるイヤな男の役。うむ、ちょっと新鮮。ここまでのって今まで演ったっけ。
「電車?線路?構内?」ってことで、いつトンチキな化粧をしてノブオ化するかと心配してたんですけど、まぁ普通にイヤな男の役。
最初はイラッと。でもご安心あれ、改心も早い。それにすぐ許せるし忘れます。何故なら他のキャラがもっと身勝手だからです。
山田くんの役は「これは!イヤな男の役ですよ!」と分かりやすく記号化されてるんでまぁいいけど他のヤツらがもう(笑)。
次から次へと「おまえらどんだけ自由やねん!(笑)」ってぐらい、善人ヅラ引っさげといて言いたい放題だし好き勝手し放題。
一々ムカついてる自分がアホみたいに思えてくるので、そのあたりの人間模様も中々笑えます。でもこういう「笑える」は好きなんだけど、
「ネタ要員」で温水さんに余計なこと言わせたり肝心なポジションで木村祐一キム兄です)の起用とか、これってどうなのよと。
いつになく大根に見えるしフザけてるみたいで笑えない。もっと真剣にやってください!!!!!!!←おまえが言うな
あと、地下パートにはMINJIっていう、主題歌も歌ってる韓国人女優さんが出てはりまして。この人の手術を山田くんがすることになるのだ。
「え?ここで手術?漫画じゃないんだから!」と山田くんは言ってましたが、漫画に失礼なぐらい漫画みたいな映画なので大丈夫☆
どんな風にするのかなぁワクワク。「たっぷりネタ振りあったし、やっぱそれ使うのね・・」なんてワクワク度は高まるばかり。
しかしまたここで「ちょ!!!そんな血管て!!!!!!!!!!(笑)」なのでナゴめて良かったです。褒めてます。
ちなみにMINJIさんはプレスで「山田さんは、初対面の時は口だけ笑ってて怖かった」と。ちょ!!!山田!!!!!!(笑)。
「でも本当は面白い人」というフォローも付いてましたけど、初対面の山田孝之がどんなだったか見たくてタマらないので映画化希望。
一方、レスキューパート。こっちのメインは伊藤英明の兄役で内野聖陽が。このパートが「東京消防庁のプロモ」みたいで笑えます。
しかも時が経つにつれネタ度が加速していくというグッジョブな配分で。最後の方には「そんなことしてる場合か!(笑)」連発。
とにかく製作者の都合に合わせて全員いっせいに敬礼して全員いっせいにシーンとして全員いっせいに傍観するという・・素晴らしい!
ちなみに内野さんが事あるごとに目をヒン剥いて「はうあ!!!!!(ガビーン)」みたいな表情を何回かしはるんやけど、
これが毎度、「はうあ!!!!!CG、ショボっ!!!!!(ガビーン)」みたいに見えて面白かったです。改めて言います、褒めてます。
クライマックスは『海猿2』の「緊急事態なのに携帯電話で愛の語らい」を超えたかも。めちゃワロた。コッテコテでベチョベチョ。
たいそうなスローモーションと感動的(あくまでも“的”)な音楽で盛り上げてくれます。しかも何度も重ねてきよるんじゃ。あなどれん。
このあたりの演出は見応えありましたね。客の「どんだけ〜〜〜!!!!!(笑)」というツッコミ待ちにしか思えないコテコテ加減。
でもな。やっぱねぇ、この映画がムカつかないのは伊藤英明のお陰だと思うのよ。何やってもいいもん、伊藤英明って。
「ま、伊藤英明主演作だしな(笑)」で許せちゃうのは凄い。極力、色んな方々に楽しんでいただきたいのでネタバレはしない。
くっそー、全シーンに対して事細かにツッコみたくてタマらない。シナリオ集あったら欲しいわ。公開されたらもっかい見たいぐらい。
それぐらい、この映画のクライマックスはかなり面白いことになってます。東京消防庁のプロモとしてはどうかと思いますが(笑)。
ついでに東京消防庁には松田悟志松田賢二が!この2人の対話にゃ燃えたねぇ。「仮面ライダーナイトと仮面ライダー斬鬼が!」と。
ラストは『海猿』ばりにまた全員で入浴。男同士って裸の付き合いで映画の内容もオールオッケーってことですね、了解です。
そんなこんなでこの映画が伝えたかったこととは別のことがビンビン伝わってきて(勝手に)、思いの外めちゃ楽しめました。
なんやかんやで久しぶりに「ちょ!!!(笑)」って何回もなれたんで、映画見てる最中は嫌なことも忘れられたしホクホクですわ。
この映画を見終わった上で「災害時、その時私は?」。そうっすね、「真っ先に死ぬからもうええわ」と潔く諦めようと思います(笑)。
子役を始め、役者の皆さんは熱演してはりました。が、それがまた余計に面白く見えてしまうという結果に。まぁでもいいんです。
海猿2』で泣けた人はこの映画でも泣けるかも。でもこの映画はあれより笑えるので好きだ。いやぁ面白かったなぁ。褒めてます!!!