映画『ハルフウェイ』

映画『ハルフウェイ』http://halfway-movie.jp/
きたーーーーーーーー!今年一本目のURLペタリ貼っちゃう作品!!!!!!!
ダメだもう、こういうのタマんないわ。弁慶の泣き所ですし。無理無理。お手上げです。
好きなんです、とにかく好き。何がどうとか細かく説明できない自分がもどかしいんだけど大好きなんじゃい。
いっちゃん最初にスクリーンに映るのは「空」。どうなのよこれ。映画『虹の女神』大ファンなワシ的には発狂もんだ。
「うわああああ!これこれこれこれ!こういうの!この、空の色ですよこれですよこれ!(感涙)」。
あの映画よりちょっとくすんだ感じのリアルな空の青。ん?あれ?これって北川悦吏子第一回監督作って触れ込みだけど、
見た感じマンマ岩井俊二(笑)。『虹〜』もそうだけど、「岩井俊二×小林武史プロデュース」つったって、要は岩井俊二
肌を刺すような空気、風の匂い、空や草木や水面の表情、柔らかな陽の光。どれも「ハルフウェイ」な「僕ら」を優しく包み込む。
その「僕ら」とは、月9ドラマ『大腸と膿のどうたら〜』に出てた事実はなかったことで@北乃きい(ヒロ)と岡田将生(シュウ)。
他出演者は同級生役の溝端淳平仲里依紗、そして先生役の白石美帆成宮寛貴大沢たかお。めちゃ少ない。たったの7人。
まぁ、でもあの頃の「僕ら」に「関わる人たち」ってこの程度か。友達と親と先生と。以上。半径数十メートル以内のお話。
うーん、あの頃は悩みも喜びも今思えば実はちっぽけだったし自分に関わる人の数も少なかったなぁなんて。
そして「僕ら」の「悩み」ってオトナから見れば(今思えば)実にクッだらねーことなんだけど、でも真剣だったなぁ。
「思ってるより、人生って長いよ」「でも、今も大事なんで」←ああ。こういうことが全てだったりしてね。
だけどあの頃の「僕ら」の「喜び」だってオトナから見ればクッだらねーことなんだけど、なにかにつけて「すごーい!」。
あれは今もあるか?ないなぁ。今も相変わらず簡単かつ適当に「すごーい!」ってよく言ってるけど、でもあの頃のとは違うか。
そういうもんなんだよなあ。そうだった、そうだった。全編、ひっきりなしに「あるある!」「分かる分かる!」なの。
だからって実際にワシの人生にはあの頃にそういうことが全く無かったので実は「あるのかな?」「分かる?のか?」なので、
冷静になると「なんだこの青春は・・!(ガビーン)」と(笑)。世間にはこういう青春を送ってきた若人の方がデフォだと思うと、
やたらと絶望して死にたくなるような描写多数(笑)。映画『耳をすませば』みたいなもんだ(笑)。
「憧憬」というよりはもしかしたら「羨望」?だから惹かれるのかな。いずれにせよ作品には擬似体感させるパワーはあるぞな。
ドキュメンタリーのような瑞々しい映像と、繊細で鮮やかにスクリーンの中で活きているキャラたち。
監督としての北川悦吏子は正直、「まぁ素人目に見た感じ岩井マンマじゃーん・・・」なんですけど、
そうは言ってもやはり「一時代を築いた人ならでは」の非凡な才能を認めざるを得ないっつーかなんつーか。
それに脚本家としての北川悦吏子もイイの書いてて。台詞いい。これはいいね。一々、いいぞ。意外にもめちゃ笑わされたし。
もっとダメだと思ってたら期待以上。いや、いいに決まってるかな。だって北乃きいが演じてるんだもん。
ラブファイト』の時もそうだったけど、今「青春映画」を撮るに北乃きいは「間違いない!」存在。元々惚れてるけど更に惚れた。
ヒロの役って、ちょっとばかり「えー、うっぜー」「イイ加減にしろ」だし北乃きい以外が演じてたら殴るかも?なんだけど(笑)、
きいちゃんは違う。北乃きいが演じるとそう思わせないの。「なんて、いじらしいでしょう!」「女の子の可愛いワガママね☆」。
北乃きいがその大きな瞳に涙を溜めただけで、なぜだかワシのほうが先にボロ泣きしちゃったっていう(笑)。
とかくスクリーンに飛び込んできいちゃんをギューーーっとしたくなるぐらいヒロが可愛くて可愛くて仕方ないんだよ。
あの映画を見てる最中はきっと岡田くん演じるシュウなんかよりよっぽどワシの方がヒロのこと大好きだ!ってぐらい、
毎度のことながらとんでもなく骨抜きにされちゃった。制服のスカートとニーソの間の絶対領域に溺れちゃったもん。
きいちゃんは台詞を喋ってるんだよね?北川さんは「アドリブのオンパレード」「台詞はみなさんの自前(!)です」って言ってるけど、
なんかもうよく分からん。きいちゃんの天才っぷりに付いて行けん。ただ、作品を見るだけ。でもなんて幸せなんでしょう・・ってな。
それでいうと上映終了後のエレベーターの中で映画評論家らしきオバちゃんが開口一番に「なんて綺麗な男の子なんでしょう・・!」。
言うよね〜(笑)。そりゃ岡田将生には思わずため息も出るわな。岡田くんもねぇ、『天然コケッコー』ぶりにイイんじゃ!
この子はほんっとーーーーーーにイイね!モノが違うわ!あの柔らかな髪質、透明感バツグンの存在感、ペッカリ美しい肌艶、
通った鼻筋、長い指、モノ言わずして意志を感じるキリリとした眼差しと涙袋な。そしてあの色味でも冴え渡るポテっとした唇の赤さ。
もちろん芝居も文句なしにイイし、造詣から何から何まで別格。彼のことを「イケメン」なんて安い表記で括るなかれだよ。
この子のねぇ、部活カバンを斜めがけにする感じとか、だらしなくリュックを背負う感じとか制服のシャツを出す感じとか。
彼が演じるシュウがホントに存在するなら明日にでも部活を見に行って金網に張り付く自分が想像できるわ(笑)。
なんつーかね、「ザッツ☆バレンタインにチョコをあげたい先輩像」なんだよね。こういうのは弱い。勝てん。おまえ凄いわ。
てなわけで色んなもんが全部良くて見てる最中にグーで胸のあたりをギョワワーって押されて「ウーッ」っていうかさぁ。
今思うとあの頃なんて「ふくらませたシャボン玉がフワッと宙に浮いてはじけるまで」ぐらいの些細な瞬間なんだけど、
でもあんなにも愛しい時間はやっぱないんだよねぇ。たぶん、これからも、永遠にない。ないな絶対に。
だからワシみたいなオバちゃんは「この映画、良かったなぁ」と思うし「またこういう映画を見たいなぁ」と渇望するのか。もね。