映画『シュアリー・サムデイ』

http://www.surely-someday.jp (「イケメン研究家」的には・笑)


ド平日の昼間にフラっと起きて遅めの昼食を取りつつTVを付けたら自分が出てた。あらま。
「ぬ〜、相変わらずブサい・・って、ブっふぉ!!!!!!!」。コーヒー吹いた。本気で吹いた。
ちょ!「イケメン研究家」って!!!(大汗)。なんじゃこの職業?この世に最も必要なっしん!(笑)。
名乗ったモン勝ちじゃないぞと。いや〜、ビックリ。「ハイパー・メディア・クリエイター」以上にビックリ。
しかも大層な肩書のわりに、一方的に研究してる(したか?)だけで触れ合うことはないのが泣ける(笑)。って、んなことさておき。
この映画の監督は小栗旬。芝居イケてて(※主観)、ビジュアルもイケてて(※主観)、彼女もイケてて(※他観)
あの!今をトキめく超人気俳優・小栗旬の初監督作品がコレだ。ふっ。そうそう人生うまくいってたまるかってんだ、
何もかも手に入れられてたまるかコキおろしてやるぞグヒ〜・・と、思ってたかどうかは主観つぅか決め付けですけど、
試写会はそんな雰囲気ム〜ンなコワモテ業界人いっぱいアラこわい。ちなみにワシもその仲間ですかアラこわい。
ただ、小栗くんも「誰かにボロクソ言われるんだろうなと覚悟してます(笑)」って言ってたし、ではお言葉に甘えて(笑)。
この手のストーリーの映画だから仕方ないとは言え、あまりにも序盤〜中盤もっちゃり。何度も「ん〜?」と。
しかも「そんなのわざわざ映像で見せてくれなくても分かるって」な重複シーンがいくつかあるので余計にダレる。
これいつ面白くなるんだよ?とイライラ。しかも今時コレかってぐらいベタなフラグが立つし、展開にも無理がある。
キモであると思われるメインテーマ曲のサビが『WAになっておどろう』に似ているのも非常に気になったり(笑)。
主演男女の年齢差もなぁ。男はもっと若くないとダメだし女はもっと老けててくれないと辻褄が合わないしな、なんて。
まぁ色々言い出したらキリがないんだけど、ネタバレになるからやめとく&それらは実は些細な問題だからやめとく。
今、確かにワシはヤイノヤイノ言うたわ。んでもさ、そんなことどうでもええ。だって映画ってそんなんちゃうやんか。
申し訳ないけどさ、ワシは映画評論家じゃなくて「イケメン研究家」かつ「映画好き」(笑)。その観点での感想文。
いいか。この映画は色々荒い。だからといって、あなどれん。この映画、ワタスはとても好き。大好きなので付き合ってくれ。
確かに色々と荒いし穴だらけだし映画撮ったことないド素人のワシですらオイオイと思う個所がそれなりにはあるのだよ。
でもね、この映画はイイのだ。だってこの映画にはね、ワシが「映画ってこうでねぇと!」な部分がギッチシあるんじゃよ。
だからとっても好きだし過剰に評価。昨今乱発されるTV映画監督様作品へのニギリッ屁☆という意味でも過大評価したい。
素人(この職業に関しては)で、しかも初監督作で、こんだけ綺麗にまとめてオチつけて気持ち良く帰してくれたら言うことないっしょ。
この監督にはね、俳優業そこそこガッツリやりつつ、もっともっと映画を撮って欲しい。だって1発目でこれですから。
次回作なんてそりゃ?!うあぁ、ここに更にテクニックが加わると大変なことになりますよ。2年に1本でいいから頼むよ。
まぁでもこの監督の場合は、自分が撮りたいこと・撮りたい人ありきだろうなぁとは思うんだけどね。
んでも出来れば今すぐ山田孝之を!(またかよ)。あと、仲良いみたいだし生田斗真。これ絶対に。約束ネ☆(勝手に)。
あ〜・・小栗旬が撮る松本潤が見られたら思い残すことないわ〜・・!いつかあるかな?よしっ、長生きしよっと!(笑)。
小栗旬は好きな役者じゃ。役者仕事は全部見たい。実際映画はもちろんのこと舞台も行ける機会あったら見に行ったし。
でもワシャ小栗旬「ホンニン(※アイドル的な意味で)」って興味ねぇ〜、彼女ネタ云々は嫌でも耳に入ってくるから知ってるけど、
正直小栗旬の握手会があっても遠征できないもん(そこかよ)。そういう意味での興味がない部類の俳優さんです(笑)。
せやけど、このたび監督としての手腕にゃ興味津津。何がイイって、まず、男の子をとってもカッコ良く撮ってくれること。
主演の小出恵介に対しては「好きだけどぉ〜、ま、遠征どころか小銭も落とせんわ」だったイメージが180度変わったよ。
この映画の小出恵介の握手会(やっぱ基準はそこかよ)があるっていうなら、ロシア遠征も可です!!!!!(キッパリ)。
どんだけカッコいいんだと。どんだけ魅力的に撮るんだと。その肉汁・・・天井知らず。そして綾野剛な。始まりましたよ!
皆さん!俺たちの綾野剛が、とうとう、満を持して始まりましたよーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!←私信
とにかく見て。綾野剛フリークは映画館に全員集合。きたよきたよ綾野剛きましたよ。『555』を「第1章」とするなら、
『クロゼロ2』は「第2章」。で、『Mother』挟んでのこの映画で「第3章」。異論は認める。しかし、それら全て「序章」。
こっから始まりました。これはキタぜ。めっちゃくちゃイイから。実に説得力ある役どころで監督を拝むっきゃないっすよ。
や、仲良いんだろうね。この映画のメインキャストと仲良いんだろうな。知らんけど、でも絶対にそうだと断言できる。
だって彼らみんなホンットいい顔してんだもん。ああ、なんて楽しそうなんだろうか。この現場にいたかったよう。
撮影が終わった後のゴミ拾いでも何でもするからこの現場にいたかった。羨ましくて仕方ないよ。
ただのネタフリにしか過ぎないシーンでも、こいつらがヤイヤイやってるだけで楽しそうだし、見てて楽しいんだわ。
教室の窓際でウダウダ言いながらガリガリ君(とは明言してはいませんが絶対にガリガリ君に違いない!ガリガリ君なはず!
ここで彼らが食べるアイスはガリガリ君じゃないとダメ!)を食べてるシーンが、トンデモなく画になってるんだわさ。
こいつらがバカ話しながら歩道橋(だったと思う)で本気で吹いたりしてな。もう、めっちゃイイじゃないですかこういうの。
テスト?NG?と思うとこが採用されてる・・?と思ったシーンがあったな。もしかしたらテスト本番で撮ってそうだけど、
実際本番よりテストの方が良かったしコッチ採用で☆なシーンは、そりゃもう見てて全然違うから分かる。これはイイ!
こういうのはこの監督ならではの、現場の空気や彼らの結束力とかそういうのならではなわけでさ。こういうの大好物。
えとですね、ドラマでももちろんそうなんですけど、スクリーンの中に登場する男の子には血が通ってないとダメです。
ちゃんと生きてないとダメ。流血シーンがなくても登場キャラに血が通ってると思わせてくれないとダメ。
そういう意味でもこの映画はいいよね。そしてスクリーンで「彼らを見る」んじゃなくて「彼らに会う」と思わせて欲しい。
「シーンのための彼らの動き」じゃなくて、「彼らが動くからこそのシーン」って嘘でもいいから夢見せて欲しいじゃないさ。
映ってないシーンでも、このキャラはきっとこういうことをしてただろうしこういうことを感じてたんだろうと思わせてくんないと。
という意味でも、この映画は良い。そしてコピーの「バカで最強!!!」。最強ではないが(笑)、この映画は「男子」の「バカ」さに拘ってる。
でもね、「バカ」と「おバカ」は違うのです。これはもう絶対的に違うんです。この映画に出てくる5人は「バカ」なんです。
絶対的に「バカ」なんですよ。この映画の「バカ」ってのはね、そりゃもう・・ワシみたいな婆からすりゃどんだけ眩しいことか。
もちろん「バカ」が出てくる映画はいっぱいある。一瞥して「はっ、バカだなシネ」みたいなのはね。でもそうじゃないもん。
この映画の「バカ」はそっち系の「バカ」じゃない。確かに「バカ」なんだよねぇ。でも、この「バカ」が愛しくてさぁ〜・・。
こう思わせてくれた時点で男子青春映画として超合格点じゃないですか。違うってんなら何をもって合格なのか逆に聞きたい。
ほんで!一番この映画を「いいな」と思った理由・・それは「この監督は何が言いたいか、何を見せたいか」がビッチシあること。
テーマが非常に明確。映画はコレがないと絶対にダメだと思うんだけど。でね、全編通してキッチリあるんですよコレが。
監督のさ、プレスシートにあったコメントがこれまた素晴らしいのだ。全部丸々記載したら怒られるかもしれんので
ボンヤリ書きますけど「この映画を見た女性から『仲間に入りたい』とか『男の子っていいな』と言ってもらえたら、
それは最高の褒め言葉」みたいなこと言ってるのな。ま、ボンヤリどころか結構ヤンワリはっきり書いちゃいましたけど、
問題あったらご指摘ヨロシクって感じなんすけどね、でね、それがねぇ、ホントにそう思える作品なんよなぁ。
「男の子映画」でそう思えないのは本当にダメ。何をもって「男の子映画とするか」とか、何をもって「そう思った」かは、
あくまでもワシという「イケメン研究家(笑)」の主観でしかない。んでも、ワシはそう思ったんだからそうなのだ!わはは!
んで更に「そう思ってもらえたら、“自分が男であることを良いと思ってる自分”で良かったのかなって思えるのかな」とまで。
あたしゃね、この一連の監督のコメントが、“男の子映画好きな自分”にとって“今世紀イチ!”だと言いたい(笑)。
撮った側からはこう思ってもらいたいし、こういう気概で作ってもらいたいもん。そういうつもりで見に行ってんだからさ。
これがないと絶対にダメ!こうあるべきです!そして、もっと言うと監督の「オレは男で良かった、
そんでもってオレは小栗旬で良かった」っていうな。そういうのも感じられるっていうか。非常にパーソナルな部分さえ。
インタビューを読んだりドキュメンタリー番組を見る以上に、この映画からは彼のパーソナルな部分が垣間見える。
まぁ、映画は監督のものだからね、だから余計に。それは今までいっぱい映画に出た監督にゃぁ言うまでもないだろうけど。
あたしゃ小栗旬になんかなりたくないよ。だってしんどそうじゃない。無理。成功したら叩かれて、失敗しても叩かれて、
どうせえっちゅうねんな、息をするだけで叩かれるポジションに今の彼はいるじゃないか。あたしゃ無理だよヘタレだもん。
いくら売れてようが無理。カッコいいよ?でも、「アレになれ」って言われたらヤダ。プレッシャーで押しつぶされてペシャンコ。
でも、彼はそんなヘタレじゃないからね。常に大地に、現状にドシンと両足で立って踏ん張ってさ、しかもズンズン歩いてく。
この映画を見た限り、この監督は「何度生まれ変わっても、オレはやっぱり男で、そして小栗旬でいたいなぁ」ってな。
そういうのが、めっちゃあったんすよね。これはな〜、自分が監督のファンだったら凄く嬉しいことだろうなぁと。
バンドだの、ヤクザだのドンパチだの、んでもってカーチェイス(ただし期待しちゃいかんよ)、仲間、友情、そして恋。
男の子が描きたいもの、男の子が好きなものがいっぱい詰まってて・・いや、小栗旬が好きなものがいっぱい詰まってて、
小栗旬が、自身がヌードになる以上に丸裸になってるとしか思えんもん。手の平にグキュ〜って血が滲みそうなぐらい、
見る者の手の平の生命線が消えそうな勢いで食いこんでくる監督のノウミソっていうかタマシイっていうかタマキンっていうかさ(笑)。
これを具現化したのが@脚本:武藤将吾。この人好きです。この脚本家さんって男子青春群像モノがウマいんだよ。
そのわりに今回やや「・・ぬ〜、ここでこの台詞かぁ〜・・」なんてちょい不満もなかったりあったりしたんですけど、
でもね、やはり、この脚本家さん「ならでは」の“跳ねた台詞”がキメの個所であったんで・・まぁヨシ!←何様
前々から気になってたんだけど、この脚本家さんってさぁ、「自分も元々そんな野郎だった」のか、
「そんな野郎の輪に入れなかったので羨ましく恨めしく眺めてた→結果、描写が上手い!」のか、どっちなんだろうか?(笑)。
あまりにもハマるから逆に気になりました(笑)。すいません(笑)。ちなみにこの脚本家さんは若手だけでなく、
なんだったら、むしろ「どうしようもねぇオヤジ」に吐かせる台詞も抜群に良かったりします。今回も良かったなぁ〜。
あ、もしかしてこの脚本家さん自身が「どうしようもねぇオヤジ」なのかなぁ(笑)。描くキャラに愛があってとてもイイ。
とにかくこの映画は、出来としてはさておき、本当に「気持ちが良い作品」なのな。見終わった後に「スッキリ!」なのだ。
「な〜んか途中は色々モヤモヤしたけど、んでも痛快だし爽快だし面白かったし終わり良ければ全てイイよね!」ってな。
貴女がもし小栗旬のファンならば、それはもうね、心底羨ましいよ。自分が好きな役者がイイ映画に出るってだけで万歳なのに
更にこんだけの映画撮ってくれるって何それファンとしてこれ以上の幸せありますか?!ってんだ。
男の子ってのは無駄なエネルギーの塊で、そんな無駄さがこそドラマ。そしてワシというメス豚はそんなドラマに魅せられる。
どうしようもなく、魅せられる。だって、何よりもかけがえのない瞬間だと思うもん。そんな瞬間を、瞬間でいいから見たい。
加わりたいだなんて恐れ多い、映画館で見られるのが何よりも有難い。ていうキモババですんません(笑)。
最後に。届かないファンレターをば。ハートが軟なワシには無理ですけど、この先めちゃくちゃ色んなこと言われると思いますけど、
んなもん屁でもないです、頑張ってください。あなたのお芝居はとても好きです。だけど監督作を見てもっとあなたに惚れました。
役者を知ってるからこそ?現場を知ってるからこそ?な、あなたという監督にしか撮れない世界がまだまだあるはずです。
あなたはとてもいい監督になります。が、現状はそうは問屋が卸さんかな。でも、そこは戦って欲しい。早く第二弾が見たいです!