映画『スマイル〜聖夜の奇跡〜』

このふゆ、さいこうのかんどうをあなたに!(棒)。
ゴキゲンなユーたちにマストでチョベリグなステキングムービーを紹介するぜイェイ♪
今年の東宝は一味も二味も違います。常に攻めの姿勢。
こないだ『恋空』という大ケツサク映画を送り出したところなのに、更に。アッパレパレ。
みんなだいすき「東宝」&「フジテレビ」&「電通」の三社が仲良くタッグを組んだこの作品は、
なんと!「原作・脚本・監督:陣内孝則」。(※脚本のみ金子茂樹との共同)
知らなかったでしょ、実は業界の黒幕最大物フィクサー陣内孝則なのかもしれませんよ。
「陣内制すもの業界を制す!(キッパリ)」。
私も今年は陣内孝則にお歳暮のひとつでも贈っておこうかと思います。
そういや初監督作品は自伝的映画『ROCKERS』でしたね。もちろん拝見させていただきました。
だって出演者が玉木宏中村俊介岡田義徳佐藤隆太塚本高史玉山鉄二って、
感動。特に何に感動したって陣内孝則陣内孝則役を中村俊介に演らせていたところですね。
素晴らしい。私はその勇気を買います。2円で。日吉和菓子2円。関係なし。
さだまさし役を坂口憲二が演ったんだから〜」と陣内監督自身も冗談で言うてはりましたが、
あながち冗談じゃなさそうな、自意識が透けて見えるあたり只者じゃございません。
そして人気TV番組『やったるJ』などの爆笑名司会ぶりでお馴染みの陣内監督ですから、
もちろんこの映画でもしょっぱなから笑わせにかかりまくり。ギャグの往復ビンタです。
始まって10分で時計見ちゃいましたよ、「この映画あと残り何分あるんだろうか・・・」。
腹がよじれて最後まで持たないんじゃないかと不安になっちゃって。
怖いぐらい面白いです。私みたいな度量の少ない人間には面白すぎて笑えないほどです。
さすがアイスホッケーを舞台にした映画だけあってギャグも猛スピードでスベりまくってました。
見てるだけで軽い脳震盪を起こしそう。この時点で既に大ケツサクの臭いがム〜ンですね。
しかも2007年も終わりに近づいている今このご時世に、
こんなにもナウいサブタイトルを付けることからも伺える通り、もちろん演出面においても
ハイクオリチィなセンスの殴打で監督の非凡な才能には目から聖水が止まらなくなること確実。
聖水の奇跡プリーズ。もちろん当然のことながらストーリーもトンデモ秀逸でビバ非凡の極み!
「プロのタップダンサーになる夢に破れた修平<森山未來>は、
そこから逃げるように恋人の静華<加藤ローサ>がいる北海道へやってきた。
静華との結婚を望む修平に、静華の父親が与えた条件は、
オーナーをしている少年アイスホッケーチーム“スマイラーズ“を勝利に導くこと。
しかし修平はスケートも滑ったことがない、アイスホッケーのルールも知らないど素人。
さらに“スマイラーズ“は一度も勝ったことのない弱小アイスホッケーチームだった・・・」。
なんてこったぁ!こんな斬新なプロットは今まで見たことございません。
どうなるか先が全く読めないです。わくわく。すると!早速、衝撃的な展開が。
なんと「スケートも滑ったことがない、
アイスホッケーのルールも知らないど素人」のはずの森山未來
初めて監督として立ち会った試合の最中にチョイと策を練ってアドバイスをすると、
たちまち大逆転!そしてチームは初勝利ゲット。うそぉん。とんでもない天才監督の誕生です。
森山未來演じる修平は、なんで今までタップなんてやってたんですか。危ないところでした、
あのままタップを続けてたらホッケー監督としての天賦の才が埋もれてしまうところでしたよ。
少年は言います「凄いよ!僕たち10年やってきて一度も勝てなかったのに!」。
その年で10年て。一体何才からホッケーをやってたのか。この世に生れ落ちた瞬間からか。
むしろ今までの監督はどんな指導(もしくは、かわいがり)を行ってきたのかと興味津々。
少年たちの頑張り、以上に森山未來の神懸かった指導超能力に目を見張っていたら、
物語は「愉快モード」から「お涙頂戴モード」へ突入。な、な、な〜〜んと!!!!
ホッケーチーム内のエースである少年が密かに思いを寄せているフィギュア美少女が、
実は、、、、、病気だったのであります!!!!(ガビーーーン)。
はい皆さん一緒に、せ〜の、「その設定、ざんしーーん!!!!!!!!!!!!」。
いや〜、ビックリですねぇ。しかも斬新なのはこれだけじゃございません。
なんと!予想だにせぬ、その病名が実は「白血病」だったんですッ!!!(ズバーーーン)。
医者が病名を告げた瞬間「チッ」という舌打ちもどきの合いの手が室中に響き渡り。
うはぁ怖いねぇ。美少女は森山未來に近寄っちゃいけません。あっちゅー間に白血病ですから。
「男女問わず、劇中で山田孝之と仲良くなるキャラは病気になる」という法則がございますが、
「劇中で森山未來と仲良くなる美少女は白血病になる」という法則も新たに加えてください。
美少女が倒れた時ですかぁ?もっっっっっっちろんエース少年の腕の中でした。
その瞬間、全員が一斉に瞳をとじて叫んじゃいましたよ「助けてくださ〜〜い!!!!」。
条件反射って恐ろしい。しかし美少女って大変ですよね。
イカす邦画に出くわすたびにホッと胸を撫で下ろすわぁ「私、ブサオバでよかった」と。
常に病気知らず。例え映画の舞台がアイスホッケーだったとしても、
ブサオバはスティックで殴ったって死なないしパックが歯に当たっても折れないでしょうね。
そうそ、森山未來くんは相変わらず爽やかでいいですね。
森山未來くんは大好き。でも森山未來似の一般人には興味ありません。聞いてないですか。
今作では得意のタップダンスを余すことなく披露していらしゃいました。
余すことなく、というか、むしろ余してくれたらよかったのにってぐらい、
試合の最中にも必死のパッチでリンクフェンスにまで昇ってタップタップタップ。えー。
勢い余って試合中のリンクに降り立つことも。えー。
指示どころか試合そっちのけで狂ったようにタップを踏みまくる森山未來の姿を見ながら、
「もしかしてこの人も何か別の病気なのかな・・・」と心配になったほどです。
ローサちゃんが今作ではちっとものし上がってこなかったのは物足りなかったです残念。
しかし!いわゆるジンナイ・ウルトラ・ミュージック・パワー、
そう、略してSHOW!WA!JUMP!の実力はこんなもんじゃないですわよ。
ゲスト出演者も豪華。塚本高史玉木宏飯島直子、原沙知恵、佐藤浩市寺島進などなど、
陣内監督の人望の元に集結したと思われる、そうそうたるメンツが映画に華を添えてくれます。
いくら『ROCKERS』繋がりで断りきれなかったとは言え、
ローサの映画に引っ張り出された玉木宏を思うと私の長い髪はただ亜麻色に染まるのみ。
それに製作が亀山さんでプロデースが大多さんだもの。びんわーん。
やっぱフジテレビの映画はこうじゃないと。人も集めりゃ金も集める。
当たり前でしょう何はともあれ金がないと映画なんて出来ないもん。
もうね、やたらと「マクドナルド」です。とにかくマクド。初めてのデートは当然マクドです。
マクドナルドの外観カットは絶対条件。グルメ番組かと。
こんなにも精魂を込めて撮られたであろうマクドナルドを見たのは初めてです。
これを見たら「たぶんマクドナルドがメインスポンサーなんだろうな」と、
うちの2才の甥っ子ですら気付きそうです。クライマックスにゃ「聖夜の奇跡」をいいことに
カルト教団による集団洗脳か!?」とビビるぐらいの奇想天外な超常現象が勃発します。
でもいいんです。聖夜には奇跡が起こるものなんです。
私なんて今まで30回以上ノヘラ〜っと聖夜を過ごしてきましたけど、
そんなこと一度もなかったですけど、でもきっと68回目の聖夜には奇跡が起こるカ・モ・ネ☆
ラストもドデスカデン!!!!なハッピーセットならぬハッピーエンドが待ち構えておりますので、
皆様是非ご家族友人恋人同士などなどで御覧になってはいかがでしょうか。邦画バブル万歳。


ただし、ホッケーチームメンバーの少年少女たちは本当にいいんだよ頑張ってたんだよね。
大人パートなんて全部必要ないと思っちゃうぐらい素晴らしいんよ。
リアルでアイスホッケーチームに所属する素人子供たちの中から選ばれた精鋭たちで、
演技初挑戦らしいが、これがだな、どの子もみんなとてもキラキラしててイイんだわ。
彼らがキラキラしていればキラキラしているほど、
この映画からとことん滲み出てくるドス黒いオトナの事情にウゲェとなるのも事実だが、
そんなことは少年少女たちには関係ないのだ。彼らは皆、とても良い。
経験者ならではの迫力あるホッケーシーンには「おおっ!?」となるし、
なんつっても「ホントに演技初挑戦?」なんて驚くような子も数人。
台詞回しが拙くとも皆さんどの子もとてもいい表情してたなぁ。
難病ヒロイン役の岡本杏理ちゃんだけは前から芸能界にいる子なのかな?
とても美人だし、役の上では「難病プ」なんだけど実に儚げな雰囲気が出ててイイんだよね。
今までは素人だったけど今作を機に何人か芸能活動を始める子もいるらしいのですが、
中でも「立花裕大」として役者活動を始めるという綿貫智基くんがいいっすねぇ。
演技云々はさておき、とにかく存在感と眼力のあるオトコマエである(笑)。
はっきり言って要チェキですぜ。そのうちパコーンとブレイクするんじゃないでしょうか。
「初出演作を見た時から目を付けてたんだよねぇ〜」なんてさ、何年後かに自慢させてくれよ。
この映画を見てさぁ、ひとつぐらいイイことないと。ワシにも聖夜の奇跡プリーズ!!!(笑)。