映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』

以前、何度か書きましたがワシャ「青春映画」に弱い。こればっかりは無理。
映画の出来が悪かろうと「青春映画ってね、コレなの!」の“コレ”がパツンと押さえてあれば全て許せるぐらい、
「(私がイイと思ったところがひとつでもある)青春映画」ってのにはねー、全面降伏だ。勝てねー。
で、この手の映画にゃオレっきゃないでしょな役者が市原隼人。今回もまたまたやってくれました。
軽薄!バカ!へたれ!ヘラヘラ笑顔!ブレザー!腰パンっていうかケツパン!鼻声モノローグ!
ややドモった感のある台詞回し!そして気の強い美少女にボコられ足蹴にされゴメンゴメンと謝罪連発!
・・・ああ、なんだこの既視感は・・。言わば、市原隼人の十八番フルコース。
目新しいものは一切なし。軽めなチン毛パーマ姿すら見たことあるし。過去の遺産で食ってる感。
市原・・・。久しぶりの主演映画だから楽しみにしてたんよな。1年ぶり?そんなもんだよね。
しかも共演には三浦春馬の名前も。あれま大好物のオカズが2個もあるんですかいそんな弁当どこで売ってるんですかってね、
わざわざスクリーンがデカいところを探して辺鄙な場所まで見に行ったよ。岩屋の109シネマズHAT神戸
ここはいつ行ってもガラガラだしスクリーンでかいし椅子はいいし最高。
だからって映画の日の夜7時の回に客5人はどうかと。あからさまにコケてますな。あれれ。
しかも観客は女子高生メインと思いきやワシ以外は皆さん「かつて青春時代を過ごした男」ばかりで。
他の人はどう思ったんだろうか。ワシですか?結構ヤられて帰ってきましたよ(笑)。
市原くんなー。うーん。キャラ的には絶対に好きじゃないタイプなんだけどね。
だって去年の代表作(?)が「交通事故」ってあーた。そしてその後に報道された対応もさぁ。あきらかに(略)。
ここまであからさまに「都心からちょっと離れたコンビニの前で明け方までダチと語るのが楽しいぜイエイ」みたいなタイプは嫌い。
国道沿いのファミレスで靴履いたまま椅子の上に足を置いてスエット着て三角座りで下品満開で喋ってそう。知らんけど。
なのに「俳優・市原」は好きなんだよな。んー。彼の主演作で「うわぉ大好きコレ!」ってのがいくつかあるせいもあるかな。
市原が出た映画は全部見たけど一番最初に見たのが『リリイシュシュ〜』ってのも大きい。彼の出演作の当たり外れは酷い。
「すんげぇいい!」か「市原が出てなかったら絶対に見に来なかったよ何このクズ映画!」か両極端。
そしてワシ的に『虹の女神』は神作なんで、だから今回も絶対に見なきゃ、と。そして彼の演技スタイルも好き。
明らかに、「役の男の子に“なっちゃった!”」時もありゃ、「自分に宛がわれた役のことがよく分かんないし、
納得も出来てないけどでも仕方ないからやります“ならされた!”」の時とね、これが如実に現れる。
ハマればドキュメンタリー、ハマらなければ棒読み。よくも悪くも素直な人なんだろうなぁなんて、とても都合良く解釈(笑)。
ま、頭は悪いだろうな。でも感覚は鋭そう。アホだけど天才みたいな。本人は演技というものを何だと思ってんだろ。気になる。
そして彼はこの手の役が十八番なのだ。スクリーン映えするのも相変わらず。ちょっと目尻の小じわが増えたか。
でも相変わらず肌は綺麗。この人って絶対に肌に悪いことばかりする生活を送ってそうなのにズルい(笑)。
そんなこんなで微妙な距離感を保ちつつ市原ウォッチングを続けてるライトヲタな吾輩的には今回のこの映画、
「こういう役はもういいかな」だったんだけど、でも使いたがる製作者側の気持ちはよく分かる!そうだよね!だよね!なんてね。
こいつのな、「ヘラヘラ笑顔、だけど寂しそう」な感じに内臓を鷲掴みにされちゃうの。こういうのめっちゃ巧い。
ジャニでは誰かなぁ。生田かな。もっと上手くなるって。早く生田をスクリーンで見たいなぁ。映画やれよ映画。
ちなみに市原は今度TBSで『ルーキーズ』っていうドラマに出るみたいやね。ドラマかぁ。タダで見られるのは有り難いけど、
なんとなく、どんな感じで演るのか全部分かっちゃうみたいなとこあるよね(笑)。そして市原はドラマはあんまし・・。
だけどドラマに出ることでちょっとは私ぐらいの年齢のファンも掴んで欲しいなあ。この人はF1やF2の人気が皆無かと思われる。
メインターゲット層はもっと若そうだもん。それに、まぁちょっとばかり、というか、かな〜り自由だもんな。
でもこの人タチは悪い?かもしれないけど役がハマると巧いからオススメ!・・・なんだけど(ボソッ)。
そういう意味では逆に三浦春馬は同年代はもちろんのこと年上のお姉さんの受けも良さそう。
あんだけ子供作ってんのに(※役の上で、です!)いつまでも爽やか。「春馬たん☆」です。実際問題、春馬たんと呼んでます。
「ババァが春馬たんとか呼んでんなよキモっ!」。了解、でも仕方ないんです。春馬には“たん”が自動的に付いてくるのだ。
いや、春馬に“たん”がカラんでくるのだ。どっちでもいい。そんな春馬たんはこの映画でも金髪です。
そうです、映画『恋空』@自分の子供の名前に「本」という字を入れたかった映画の前後に撮られたことが丸分かり。
本太郎。本平。本雄。どれも変。あの映画で春馬たんが演じたヒロという男の子は「本」という字を使って
一体どんな名前を付けようとしたのだろう?といまだに悩んでしまうのですが、今回は大丈夫!誰も妊娠させてません。ほっ。
たぶん今年の春馬たんは大丈夫。妊娠はさせないでしょう。どないやねん。つか、風向きが良い。
この映画でも出番は少ないもののキーパーソンです。そして結構いい役。歌まで歌ってますぜ。しかも上手いの!
そーなんだよねー、三浦春馬は歌が異常に上手いのだ!これはワシも『ハンサム祭り』で知りました。何それ。
三浦春馬のためだけには新幹線には乗れないけどそこに佐藤健もくっついてくるなら東京だって行きまっせ。
年末にアミューズ若手俳優が集まって歌って踊るイベント『ハンサム祭り』を見に行きましたよ。いや〜、凄かった。
たぶん出演者皆さん何ヶ月も前からダンスも歌も一生懸命に練習したんだろう頑張ってた。予定調和のハプニング込みで。
でもアタシにゃ「ジャニーズは1日にして成らず!」と改めて痛感(笑)。「ショー」というよりも「発表会」に近かったかな。
MCだってもうね。「次は三浦。春馬じゃないよ、カズ!」「キングかよ!」とか・・。ああ。これ書いた作家来い!お仕置きじゃ!
ワシはこんなもんよりもうちょっとマシな台本を10分の1の値段で書いてやる!しかも、も〜っとヲタが萌えるやつをな!(キッパリ)。
何もかも「・・・えー」みたいな。でもまぁ出演者は皆さん可愛かったし楽しそうだったし一生懸命だったからいいんだけどさ。ふ。
いや、そんなことは屁でもないのだ。ダンスが下手とか歌が下手とか、俳優なんだから関係ない。
三浦春馬はこの日に何をしたかっていうとギター弾き語り、ピンで『TRUE LOVE』を歌ったのである。え。
確か90年生まれだったはず。まだ17歳のはず。なのにフミヤート。何この選曲。事務所の先輩でもないのに。
「♪ふりかえる〜と、いつもキミ〜は、わらぁってくれた〜」。うめーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!(脱腸)。
無駄に上手い。そんな上手くなくてもいいのに。本気と書いてマジ。マジだし上手いし。この人は一体どこへ。そしてこの選曲は。
正直、ドンびきするぐらい歌が上手かった。「中2からギターをやってました」←このエピソードも春馬たんに必要か!?
春馬たんだったら縦笛やピアニカですら出来なくてもいいのに。なんだか何もかも不要。
だけど今日びの17歳みたいに「好きな曲を歌います!」なんつってワシみたいなおばさんが知らんような
タオルをグルグル頭上で回す(タッキー&翼『空のスクリーン』ではなく)系統の歌ではなくて本当に良かった、と。
春馬たんはウンタラリンプスよりフミヤートでいてくれと。ウンタラ+ノウズよりコブクロでいてくれと。
ウンタラオブチキンよりJ-WALKでいてくれと。おばさんは切実に願うのであった。いや、BUMPは好きだけど☆←邪目線込み
そして『ハンサム祭り』にはハンサム(風も含め)な男の子が20人近く出てたの。メインは林剛史かな。この子は売れるよ。
グダグダコーナーをバシッとシュート一本決めて終わらせる子はタレント運が違う。だから売れます。
『いいとも祭典』における流鏑馬コーナーみたいなもんじゃ。それはさておき、とにかくたくさん同世代の男子が出てたのね。
でさ、そんな中で春馬たんは知名度も実績もあるほうじゃない?だからセンターにいてしかるべきじゃない?
なのに気付いたら一番端っこに。「春馬たーーん!端、端!もっとおおお!真ん中へ!」。何度心の中で叫んだことか。
しかし春馬たんは端へ。追いやられてる風でもなく自ら端へ。気付いたら笑顔で端。おい。おめー、メインみたいなもんなのに。
常に微笑を絶やさず黙ってる。真面目な感じ。はしゃがない。あまり誰かとからまない。でもからむ時はそれはそれで楽しそう。
スタイルが良い。でも遠めで見たらココリコ田中。マッチ棒。でも楽しそう。地味に。そして指が綺麗。
自分の出番が終わるとまたスッと端に行こうとするんだけど、その時に必ず少し俯いて指で目頭をキュッとこする癖があるみたい。
これ結構やってたなー。「これからもお芝居とか色んなことに挑戦していきたいです!」と、
「今日のイベントの感想」を聞かれたのに春馬たんだけスッとんきょ〜なことを語ってましたけど、可愛いので許します(笑)。
他の子に関しても色々メモてったんだけどそれはまたその都度。とりあえず春馬たんは可愛い。
品行方正で礼儀正しい好青年的な印象。写真集で見たけど字も綺麗だしね。
まぁ真面目な普通の子なのかなぁと。ツッコみ所がなさそうなのが残念なくらい常識人なのかな。
生まれ変わるならオダギリのアゴのホクロになりたいと思ってましたけど春馬たんのアゴのホクロも中々。聞いてない。
で、市原ときて三浦ときて、結局この映画の誰が一番良かったってーと浅利陽介。この子が抜群に良かった。
浅利陽介もそうだけど濱田岳とか尾上寛之とか、あ、柄本佑とかもそうかな。イケメンブームとは別枠な子。
今若手でこういうポジションで「うめぇ!」って子はたくさんいて、イケメンブームのお陰でイケメンの親友枠も激戦なんだけど、
浅利くんもこれから引っ張りだこになるんじゃないですかね。この子はいいですよ。
あ、映画の感想な。んー、アクションシーンはCGも込みでもうちょっと頑張って欲しかったかなあ。
OPの掴みはOK。だけど「チェンソー男って結局何?どういうこと?」と気になって気になって気になって、
なんだこの映画?ファンタジーかぁ?それとも夢落ちにするつもり?なんて思ってたんだけど、
まぁチェーンソー男は結局はメイン男女の「あの年頃で、自分ひとりでは受け止めきれない悲劇のメタファー?」なんて。
色々と荒いんだよね。そして青い。こんなのに感動するやつって中2病でしょっていうマンマ。
だいたいタイトル自体そう。あっしが中2やったら「このタイトルセンス超かっけー」とか思ってそーだもん(笑)。
メイン男女のキャラ造型も所々「はぁ?」と思ったり。細かいこと言いだしたらキリがないぐらい穴だらけの映画です。
関めぐみちゃんの役もなー。「え?好きになるんかい?頼るんかい?デートオチでOKなんかい?」なんて。
ストーリーもな。これはダメだなー。でも私は好きなんだよね。この映画が好き。なんで好きなんだろうね。
なんで見てる最中に鼻の奥がツーンと熱くなっちゃったんだろうか。これは理屈じゃないんだろう。
私的に「青春映画ってね、コレなの!」の“コレ”がパツンと押さえてあると思ったから。だからいいなぁと思った。
市原三浦浅利のバンドシーンは特に良かった。男の子のね、あの年頃の男の子の、ああいう感じ。
一生間近で見ることができないし絶対に手に入れることができない、彼らの彼らだけの、ああいう感じ。の、青春。
これはねー、これだけで「うぁぁぁ青春映画ってやっぱ好きだぁぁぁぁ」とおばさんは思ってしまうのだ。
というか、たぶん私は永遠の中2病患者か青春映画フェチなのかもなぁとか思う。だってこの映画はダメ映画だもん。
しかし映画を見終わったら焼肉が食べたくなってさ。でも帰りに寄ったコンビニには焼肉弁当すらなかったよショボン。
それにしても市原の役の男の子、あれはないな。女をなんだと思ってんだ。この映画はこういうところもダメ。だけど好き。