映画『フィッシュストーリー』『チェイサー』『MW-ムウ-』他全部で11

『フィッシュストーリー』http://fishstory-movie.jp/
どうしよう!うれしいなぁ、邦画が面白い、面白いぞう!
こりゃもう傑作でしょ。『ハルフウェイ』『愛のむきだし』とこの作品は、今年の邦画ベスト10に確実に入りそう。
「ん〜、濱田岳伊藤淳史?ならスルーで・・」とか調子こいて試写会に行かなかったアタシのバカぁ!
たまたま時間が空いて「何みよっかなぁ〜って、これ『アヒルと鴨のコインロッカー』スタッフかよ!?」と。
もっと早く見ておくべきだった。ストーリー展開と構成はもちろんのこと、斉藤和義が担当した音楽も素晴らしいの一言。
肝心のバンドの曲がダサくちゃ目もあてられんのだが、これは違う。めちゃくちゃカッコいいのだ。
「ロックってかっこいい!ロックごときで世界は変えられないのかもしれないけど、聴く人の人生は変えちゃうんだ、
人の人生が変わる、だから世界も変わるのだ!」なんて青臭いですか?でもさ、だってそうでしょ。信じたい。
ラストの“おさらい”シーンなんて、目から水がボタボタと。誰もが生きてる意味ってある。のだ。こういう映画は大好き。
ダルビッシュ?はたまた成宮寛貴の更にトンがった版?」な高良健吾くんが激しく美しいので要チェック。


『チェイサー』http://www.chaser-movie.com/
韓国は、こういう映画を作ったら抜群に・・。まさに「戦慄のクライムサスペンス」というキャッチコピー通りの作品。
ポン・ジュノ殺人の追憶』や復讐三部作のパク・チャヌク、はたまたキム・ギドク監督作が好きな方なら。
これ撮ったナ・ホンジン監督ってまだ若いのに凄いなぁ。役者の演技共々圧倒されっぱなしの125分でした。


MW-ムウ-
「16年前、ある島の島民全員が死亡した事件は政府によって隠ぺいされるが、二人の少年が奇跡的に生き延びた。
その一人でエリート銀行員となった結城美智雄(玉木宏)の裏の顔は冷酷な殺人鬼で、
神父となった賀来裕太郎(山田孝之)は結城を救済しようと苦悩する。
そんな中、16年前の事件の鍵を握る「MW」を手にした結城は世界滅亡をもくろむ」というサスペンス・エンターテイメント。
しょっぱなから「フルフェイスで防護服を着た人たちが火炎放射器で家屋などを焼き尽くしている」シーンでドキッと。
まるで『L Change The World』や『感染列島』を彷彿とさせる(てか同じ・笑)オープニング映像に嫌な予感ム〜ン。
見終わってみたら。うーん・・、映画化する前から薄々気づいてたけど、これって『MW』じゃないよね(笑)。
だって主人公2人の名字(下の名前は違う)と概要以外、展開も他登場人物すら全員原作と違ってたし。
なので最初から「原作とちゃうで!だから期待したり比べたりするなよ!」という製作者側からの意思表示なんだろう。
「ならばよりによって、なんで『MW』を?」と思ったりもするが、まぁ仕方ないか。原作に忠実に出来るわけないわな。
別に「原作アリキのものは原作通りにしろ!」とも思わんのですが、それにしてもなぁ・・。と言いたくなる出来。
玉木宏山田孝之のW主演ぐらいに思ってたんですけど、違ってた。終始、玉木(シャワーシーンあり)演じる結城にメイン。
そこにカラんでくるのが山田演じる賀来。なんだったら賀来役の山田よりも、
事件を追う刑事役の石橋凌半海一晃の方が印象的だったしよく出てたような。あれ〜?
他キャストは、石橋凌演じる刑事とはまた別に事件の真相を追う新聞記者役・石田ゆり子、その助手・山本裕典
そして教会で孤児の世話をしながら賀来を慕う少女役に山下リオ、事件の鍵を握る大物政治家役に品川徹
なんともまぁ、どこかで見たような。ずいぶんと「凡庸なキャラ配置&展開」となっており、「あ〜・・・」っていう。
現代に置き換えたことによっていっそう「ないわ〜!(笑)」ってなったし、そりゃ諸々ツッコんじゃったわ。
しかも物語の「肝」である「結城と賀来の“ただならぬ関係”」をバサッと切っちゃってるので、山田が何で悩んでるのかいまいち。
「16年前に『MW』がまかれた時、結城が助けてくれたから」ぐらいになっちゃってるのな。それじゃいまいち伝わらん。
山田がなんでそこまで玉木に固執するのか説得力に欠ける。もちろん「正義感から」なんだろうけど、とにかく説明不足。
あらすじにある「救済」というよりは「阻止」としか。山田の出演シーンが決して玉木並みにあるわけじゃないので、弱い。
かと思ったら唐突に「(何もかも放り出して)オレと逃げよう!」とか言い出して「えー。やっぱ原作設定ありきなの?」なんて。
要は賀来という人間がよく分からんのだ。芯がブレたキャラ設定では山田本人も演じにくかったのではなかろうか。
しかしながらワシ的にはせめて「そんなことどうでもいいわ!きゃーん山田ぁ☆」な箇所があれば話はまた別ですが、
それに関しても。気が付くと「山田まだー?(平仮名で書くと「やまだまだ」)」。うーん。ワシは今、贅沢病なのかもしれん。
鴨川ホルモー』見て『クロゼロ2』見てコレでしょ?だから贅沢山田病なのだ。これぐらいじゃ物足りないぃぃぃー!(涙)。
『252』直後ならまだしもさ。「前2作と比べちゃいけない!」って分かってるんですよ?でもさ、比べちゃうじゃないのさ?!
相変わらず美しい(常に横顔は絶品だ!)んやけど、「もっと!もっと山田の新しい顔や芝居を見たいよう!!!(絶叫)」って。
なにかと教会でお祈りしてるんで「ふ〜ん、山田にしちゃ撮影が楽そうだな〜・・・」なんて邪念がよぎったり(笑)。
ハードルあげすぎちゃったかな?いや、でもこんな作品じゃぁな。せっかく山田を使ってるのに勿体無いなぁなんて。
映画が大好きなワシは、映画を愛してくれて(たぶん、でもそうだろう)映画でイイ仕事をガシガシやってくれる役者が大好きだ。
だからこそ、映画制作者はそんな貴重な役者をもっと大切に使って欲しい。まぁ次に期待!→ http://www.ooarai-movie.com/  
その前にもっかい劇場に『ホルモー』と『クロゼロ2』を見に行こうっと!皆様も是非。山田評価が激変するはずやで。
さて。悪リーマンの玉木宏も、もちろんカッコいい。寄り(もうちょっと顔に肉がついてるといいなぁ〜)も引きの画も最高で、
ラブシャッフル』のうさたんとは一転、冷酷な復讐鬼役。うんうん、こういう役はおいしいなぁ。ビズだけでなく声もハマる。
でも「美しきモンスター」は言い過ぎ。だって「こいつ酷いことするなぁ〜(ゾゾッ)」と背筋が凍るほどではなかったし。
そりゃそうだ、だってこの映画はTV放送大前提。R指定ではなくPG12だしな。ゆうなら「グレた千秋様」って感じか。
まぁどっちにしてもタマらんツボなんですけど、でもな、どうせこういう役を演るならとことん演らせてあげたかった気もする。
なんせ中途半端なんよな。これは役者として可哀想じゃね?なんて。ビズに萌えようとしてもツッコミ処が邪魔をするしさ。
ただ、この手の映画のわりには「不要なラブ」や「お涙頂戴」がなかったのは好感が持てたかも。消去法で褒めてみる。
映像の色味をシーンごとに工夫したり、爆音でガンガン音楽ならして緩急(とは言わんか・・)つけたり。
大爆笑のスットコ映画ではなかったですし、邦画大作にありがちな「出来もせんのに大風呂敷広げてみたものの
畳めなくなっちゃったのでドロン!」という映画よりは・・マシか?まぁどっちもどっちか。とりあえず、大してグロくないし、
良く言えば何から何まで「分かりやすく・見やすく」なってたな、まぁ『MW』ではないけどね。諸々、覚悟のうえでどうぞ。


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