映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』

長文タイトルは人を釣る。だからか、広い試写会場はほぼ満員に。これは中々珍しい。注目度高し。
「高校中退後10年間ニート。パソコン以外の友達は1人だけ・・・。そんな1(いち=マ男)くんが母の死をきっかけに、
一大決心し資格を取得。プログラマとして社員15人ほどの小さなIT企業に就職する。
しかし、そこはデスマ(デスマーチ=倒れるまで帰れずに徹夜連続生活を強いられる状態)だらけの地獄のような職場、
残業代って何?定時退社だとぅナメんじゃねーよ!な、世にいう「ブラック会社」だった!どうなるマ男?」というお話。
この作品の主人公=マ男くんの役を演じるのが小池徹平。大丈夫かな・・てっぺーちゃんビジュアルまだ大丈夫かしら?
そんな心配は不要、映画始まった瞬間に「てっぺーちゃんキャワワワワワ!!!!!!!!(感涙)」。・・・ほっ。
キサマぁ、まだ可愛いか!そうか!そうなのか!えらいっ、えらいぞ!ん?あれ?頬のホクロが大きくなってません?
ホクロも成長するんだなぁなんて妙な感心を。えとですね、この映画は面白いです、中盤までは。よくウケけてました。
デカい会場でたくさんの人がドカンドカンと笑ってたよ。完成披露試写会だったんで来てたのはほぼマスコミ関係者かと。
たぶんIT企業の方々ではなかろう。でもな、やっぱどこの業種もこの不況で似たようなモンなんだろうね?!
明日は我が身。否、なんだったらこの映画の主人公が勤める会社って自分とこに激似?!自ずと感情移入。
誰にでも馴染みがあるわけじゃない世界の話を他人に伝えるためには分かりやすく。これ鉄則。この映画分かりやすい。
CGだの何だのを使って分かりやすく面白く。この演出はバチッと狙い通り当たってたかと。めっさわろたしな。
これならたぶん今まで働いたことがない中学生でも笑えるだろうし理解できるんじゃないかな。このあたりは上手。
ネタ映画としても笑えるし、ハウツー映画としても楽しめる。他キャストもマイコ、品川祐田辺誠一中村靖日
田中圭池田鉄洋千葉雅子などなど適材適所、想定外や冒険心ゼロな手堅さ。
うむ、やっぱし田中圭はラスボスよりこの手の小悪党が一番よく似合うぞよ。イカれ系美人役のマイコもハマってた。
中でも一番素晴らしかったのが「実力もヤル気もないのに横暴なリーダー」の役を演じていた品川祐!ようやった!
見てて本気で腹立ったもん!(笑)。金輪際こいつがTV出た瞬間にチャンネル変えてやると心に誓ったわ!(笑)。
ほんっと〜〜〜〜〜にムカつきました!もう、リーダー役がムカつくのか品川祐がムカつくのか分別出来なかった!
役がハマってたせいもあるでしょうけど、この人ウマい!つか芸人さんって皆さんお芝居上手なんだわさ。さすが。
てっぺーちゃん的に見どころ?それはもう「限界」に追い込まれてどんどんヤツれていくところでしょう。くふっ。
ものっそドS魂くすぐられます!やっぱ仕事で追い込まれるのもホームレスになるのもキャワゆ子ちゃんじゃないとね☆
正直キャワゆくないと「ヤダぁ可哀相〜」って同情できないじゃん?あれ?アタシ今ヒドいこと言ってますか?(ツーン)。
目の下に真っ黒な熊二頭抱えてゲソリやつれたてっぺーちゃんってば、どんだけゾクゾクさせてくれるんですかい(笑)。
知らず知らずのうちに「ぐへへ〜っ、もっとぉ〜、もっとツラい目に遭えぇぇぇ〜」と念を飛ばしてしまいました。らぶ。
や、この人『小公子』とかやったほうがいいわ早いうちに。可哀相な目にどんどん遭うべき。なぜって?萌えるから☆
なことはさておき知らない世界だけど、知らない世界だからこそ身を乗り出して楽しめたのですわ中盤までは。
せやけど、そこからですよ。やはりメジャー邦画の悪しき風習とでも言いましょうか。途中からやたらとクサい展開になって
お涙頂戴仕様に流れていき失速、結果的に凡作に。これアスミックだよね?アスミックの映画なのに東宝の邦画みたい・・。
妙に説教くさくて押しつけがましいメッセージを振りまきつつ気味悪いほど前向きになってエンド!っていう。またか。
なんだろうねぇ。メジャー邦画ってなぜかこうなるよねぇ。こういうのが受けるから仕方ないのかねぇ。なるほどねぇ。
大衆向きエンターテイメント作品としてはオススメできますけど、佐藤監督の良さがあまり感じられなかったかも。