映画『半分の月がのぼる空』『NINE』『第9地区』『食堂かたつむり』

映画『半分の月がのぼる空』『NINE』『第9地区』『食堂かたつむり
「趣味はコスメと映画観賞ですエヘッ☆」で女子力UPを目指す吾輩は、休みのホンジツまとめて何本か見ることに。
今年入ってから映画は色々見たんだけど、それらの感想よりもまず今日一日の流れを知ってもらいたくて先に。ご了承をば。
まずは朝から『半分の月がのぼる空』。小粒ながら丁寧な作りの良作。ベタだけど泣ける。池松壮亮はやはり上手い!
池松壮亮窪田正孝は「イケメン若手俳優枠」とはまた別で、地道に頑張っていったらいつかもっと評価されるはず。
2本目『NINE』。ミュージカル映画としての見応えは存分にありました。ナマで見たらもっと迫力あっただろうなぁ。
そして3本目に見たのが、「地味なタイトルやな〜・・」と今ひとつ食指が伸びなかった『第9地区http://d-9.gaga.ne.jp/
わしゃ映画は余計な知識を入れずに、極力まっさらな状態で見たいタイプなので事前に監督やキャストなど調べないし、
試写の場合でもプレスシートは見る前には読まない。その方が面白く見られるから。色々予想するのが楽しかったりするし。
この映画は今んとこ今年一面白かったし久しぶりに映画を見て興奮した。アカデミー何部門にもノミネートされてるらしく。当然か。
全映画ファンと全特撮ファンは必見。「帰ったら真っ先にこの映画の感想を!」なんてウキウキだったんですけど、
調子に乗ったワシは、ついもう1本見ようかな、なんて。1日4本コースは久しぶり。でも今日はイケるはず。今日なら大丈夫。
なので映画好きの知人から口ぐちに「凄いから!」とオススメ(※ある意味)されていた『食堂かたつむり』を見に映画館へ。
見る前は「中島哲也っぽく『かもめ食堂』をやったら大炎上ってオチだろうなププ」なんて軽くいなしててすいません。
それどころじゃねぇ。伝説のラクロス(やってないけど)映画『少林少女』主演の柴咲コウですし、そうは問屋が卸すまい。
でも最初に言っておくが柴咲さんが悪いんじゃないよ!ここまできたら柴咲さんだけの力ではどうにもならんって!(涙)。
物語→柴咲さん演じる倫子ちゃんはインド人の恋人に騙されて金を持ち逃げされショックのあまり口がきけなくなってしまう。
おっと『オレンジデイズ』キャラ再び。「失恋ごときでケッ!」と言ってしまうと物語が進まないのでここはスルーの方向で。
柴咲さんはなんで家出したかっていうとオカン(余貴美子)が村でも有名な「クイーン・オブ・ビッチ」だったからです。
そのせいで小さい頃はイジメに遭ったりもしました。もう、オカンのことが嫌いで嫌いで嫌いで。だから家を飛び出しました。
だけど失恋したので帰郷した柴咲さんは「食堂するから金をくれ!」と、嫌っていたオカン宅に住みついたうえに金を無心。
そうなるとドッチもドッチな似た者親子なんですけど、そこで一々いちゃもん付けてたら物語が進まないので再びスルーで。
断られると今度は「久しぶり〜」なんて声をかけてくれたブラザートムに援交かのごとく金を無心&手伝わせることに成功、
無事、食堂はオープン。しばらくすると「ここで飯を食うと願いが叶う!」との噂が流れて、恋する男女や男男たちが来店。
皆さんマンマとラブラブに。しかしワシ的には「飯がマズそう・・」という致命的な大問題が。撮り方?それともレシピの段階?
まぁ、『進研ゼミ』か『日ペンの美子ちゃん』のような不思議パワーが宿っている飯ってことで、ここもまた華麗にスルーで。
「可愛い子だなぁ〜・・・あっ!桜田通だ!へぇ出てたんだ!」と驚きましたが、そんなことも些細な問題なので華麗にスルーで。
そんなビッチマザーは何故か電車男の精神で「エルメス」という名前のブタを飼っています。毛並みも良いし可愛らしい。
オカンはブタを我が子のように可愛がっています。そして柴咲さんにもブタの世話を押しつける。しかしブタのくせに美食家で。
「これがエサだぁ?てめぇが作った不味いパンなんざ食えねぇよ」な勢いで図々しくも日本語で柴咲さんの脳内に語りかける。
柴咲さんは工夫をこらして頑張った甲斐あって、ブタ様はようやく柴咲さんの作ったパンを食べてくれます。あぁ良かった。
そんなこんなでブタ様はとても可愛がられてます。オカンのスナックにも柴咲さんの食堂にも出入り自由自在なぐらい家族同然。
衛生面的にどうなんだとか言ってたら物語が進まないので、そこもまたまたまたスルーで。ええ、こんなもんぐらいスルーしてくれ。
テンポはまぁ良いんだけど、凶悪な色彩感覚と美的センスにノッケからクラクラ。特に演出とBGMにも辟易と。うげえ。
これらに関しては全くスルー出来ないんですけど、そこもまたまたまた更にまたまたスルーな方向でよろしくお願いします。
これぐらい、どうってことないんです。そんなことはどうでもいいんです。この映画は演出も酷いが何より原作に問題大アリ!
ちなみに原作通りらしいと聞いたが、こんなもんまさに柴咲さん的には「泣きながら一気に読みました!」やろなぁ。
さて。柴咲食堂の評判は上々、売上も上々(たぶん。1日1件しか予約受け付けないけど)。そんなある日のことでした。
学生時代の友達・満島ひかりが友達と共にご来店。なんと、そこで満島さんは柴咲さんを手伝うふりして飯に虫を混入させ、
食堂の評判を地に落とすという嫌がらせを。そして後日、自分が虫を混入させたことを柴咲さんにカミングアウト。え。なんで。
ワシが大好きな映画『愛のむきだし』の満島さんは今作で、西島くんは『サヨナライツカ』って呪われてますか?!(私が)。
そんな感じでヘンテコ登場人物(しかも全員)が抱える問題だの何だの意味分からんけどそこもスルー。物語はクライマックスへ。
なんと!柴咲さんのオカンは実はガンだった!ガーン!(←ここで使うとシックリ)。あらま唐突にお涙頂戴の難病モードに突入。
「ここからは東京タワー〜私とオカンと、ときどきオトンBYリリー・フランキー@山PのオトンTIMEでっせ!」ですね了解です。
ここで更に新事実が。オカンが数年ぶりに再会したというかつての恋人は、実はGU☆U☆ZE☆Nガン診断した医者でした!(バフーン)。
なので余生短いと覚悟を決めたオカンは元カレである医者との結婚を宣言。ふむふむ。これキッカケに母子の絆を云々な話か。
そしてオカンは柴咲さんに「可愛がってたあのブタ食うわ。それが一番いいわ」と。・・・いや、スルーできねぇ。なんでそうなる?
ここにきて『ブタがいた教室』を入れてきました。なんて欲張りな映画かしら。贅沢ぅ。既に腹いっぱいでゲロ吐きそうなんだけど。
次のシーンでは♪ドナドナド〜ナ〜ドォナ〜状態でブタはトラックに乗せられ連れていかれ。微動だにせず見送る柴咲さん。・・・え?
そして更に次のシーンではキッチンのまな板の上で肉塊となった愛豚の姿が。・・・いや、スルーできねぇ。まじでか?
いくらオカンが飼ってたブタとはいえ、柴咲さんだって可愛がってエサやってたじゃん?自分でパン焼いて食わしてたじゃん?
ブタと日本語で会話してたじゃん?くさすような言い方だったけど励まされたりもしたわけじゃん?なのにアッサリ食うんだ?
元カレ@妻夫木はブタを食うか食わんかであんなにスッタモンダしてたけど「アタシは違うのよぉ!」ってか?!え、そんな理由?!
違うよね?ところで『どろろ2』の話どこいった?タクヤ無限大もしくはエイトみたいな彼氏とは本当に別れたの?興味ないけど!
いざ、オカンの結婚式。ご丁寧にブタの部位が図で描かれた看板の前に、世界各国の調理法でシメれた見事な愛豚パーツがズラリ。
「さぁご賞味あれ!」って、おい!・・ん?あれ?あんな嫌がらせしやがった満島ひかりが笑顔でパーティーに参加してるんだけど?
いつの間に和解したの?ってか、大体なんで嫌がらせしたの?ってか、皆さんあのブタを母子が可愛がってたこと知ってるよね?
「食べただけで世界旅行できるみたいサスガぁ!」って、待てぇい!無神経な人間どもによる狂気の宴にポカンとしたまま、気が付くと
柴咲さん&ウェディングドレスを着たオカンがブタに乗って空を飛ぶという実にシュールな画づらがスクリーンいっぱいに・・・(遠い目)。
「命を頂くから“いただきます”なのよ」とかそういう問題じゃない。基本が全く出来てないのに大層なお題目だけ掲げやがって。
ファンタジーテイストで何もかも帳消しってアホかコラ。なんじゃこりゃ!!!ひたすら不愉快なだけだし気分悪いわ!!!
もう、いい。「飼ってた豚を食った・食わん」の話なんて些細な問題じゃ、この映画にとっては。もっとビックリしたのはラストですよ。
なんやかんやパーティー(と空想・・・)が終わった後、「実はオカンいい人でしたエピソードの羅列」終わりで呆ける柴咲さん。
ガタガタっと音がしたので柴咲さんが玄関を開けると、地面には家屋にブツかってノビたと思われる鳩が横たわっており。
鳥頭とは言えあまりにもアホすぎる鳩。いや、それはさておき背筋がゾクッ。嫌な予感&悪寒。ま、まさか・・・。
次のシーンでは「チーン!」。オーブンから鳩がグリル化して登場。ぎゃーーっす!食うんかーーーーーーーーい!!!!!!!!!
そして柴咲さんはパクッ。「・・おいしい・・・」。食ったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!
更に瞳をウルッとさせながら、「・・おいしい・・・」。大事なことだから二回言いましたーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
白目むいて泡吹くワシなんざ置いてきぼりの中、エンドロール。ちなみにエンド曲はFairlife feat.岡野昭仁fromポルノグラフィティ
さすがのポルノ氏もこの作品の出来を知った日には、幸せだけでなく映画についても本気出して考えてみたのではなかろうか・・・。
これは凄い。もう、ひたすら背筋を凍らせたまま「こわっ!!!!!!」である。そんじょそこらのホラー映画を遥かに超越。
あの鳩もしかしたら生きてたかもしれないじゃん?気絶してただけかもしれないじゃん?や、万が一、死んでたとしてもだよ?
だからって、鳩の死骸を拾った後にオーブンで焼いて食うか?なぁ、キミなら食うのか?!どうなんだ?!ええっ?!(涙目)。
高倉健広末涼子だけでなく、このたび柴咲さんも鳩を食ったしポッポヤだね☆とか言うてる場合ちゃうぞ。つまんねええ。
このラスト、あまりの衝撃に柴咲さんが「最後にようやく喋ることが出来たYO!」な事実にすぐには気が付かなかったほどでした。
『SAW1』以上の衝撃のラスト。ハートウォーミングなロハスムービーかと思いきや、完全にカルトムービーの域やんけ。
どんだけ斜め上を行くんじゃい。これ、ジャンルで言うと『かもめ食堂』『ブタがいた教室』じゃなくて、『仏陀再誕』側の映画じゃね?
こんなとこでジョン・ウーや映画『恋空』に対抗するよりは、どさくさにまぎれて結局ラクロスやった方がよっぽどマシだったのでは。
なんなんだこのオチ、そしてこの映画。これに1300円払ったワシは元は取れた。だってお化け屋敷やホラー映画以上に震撼したもん(笑)。
以上!とってもオススメの映画だじょ〜〜〜〜!(※「って書いときゃいいと思ってるだろオマエ」とか言う意見はスルーします☆)